XDrawChem

XDrawChem

XDrawChem は 2-D の分子構造描画プログラムです。 いくつかの分析機能も備えています。 OpenBabel のライブラリによって様々なファイル形式をサポートしているので、 他の化学アプリケーションとデータを共有することができます。

(右図をクリックすると大きく表示します。)

作者: Bryan Herger さん
ホームページ: http://xdrawchem.sourceforge.net/
バージョン: 1.8.1 (2004/05/03)
ライセンス: GPL
付属ドキュメント: README.txt を読む
マニュアル (オンラインヘルプ) を読む

ライセンスは以前は Modified BSD license でしたが、バージョン 1.2 から GPL になりました。

XDrawChem は Qt ライブラリのバージョン 3 が必要です。 LinuxMLD 7 で利用できます。 MLD 6、MLD 5 では Qt2 による旧バージョンが利用できます。

使い方

インストールしたら、 メイン・メニューの「グラフィックス」→「他のグラフィックアプリケーション」 に xdrawchem が追加されます。
ターミナル・エミュレータからは

$ xdrawchem

で起動します。

普通のドローソフトとどこが違うか、まずは 左に並んでいるボタンから Draw Line をクリックして線を描いてみましょう。 キャンバスの上で左ボタンを押し、そのままドラッグします。 すると、線の角度が 15 度単位に限定され、長さも一定の線分しか 描けません。これで化学構造式特有の“亀の子”などが楽に描けるわけです。

Format menu Format メニューの「Bond - Fixed length and angle」のチェックを外すと この制限はなくなります。 「Drawing settings...」では制限値の設定ができます。

Tools menu Tools メニューには分析を補助する機能がいくつかあります。

Calculate empirical formula、Calculate molecular weight では、メニューを選択後に対象となる構造式をクリックすると、 結果がキャンバス上に書き込まれます。

Elemental analysis の結果はつぎのようになります。

Elemental Analysis

「Paste」ボタンはうまく働かないようです。

左に並んだボタンの中程にある Draw ring ボタンではいろいろな環やアミノ酸等の構造式が参照できます。 このボタンを短くクリックすると、名前で選択するダイアログが開きますが、 やや長めに押していると下に示すようなテンプレートメニューがポップアップします。 このメニューに追加 (Tools メニューの Create custom ring) することもできます。

Ring menu

ファイルの入出力は OpenBabel ライブラリを利用しているので、様々なファイル形式を扱うことができます。 また、Save picture... では PNG、BMP、EPS、SVG のフォーマットで画像を保存することができます。

Help メニューではオンラインマニュアルが読めます。

インストール

LinuxMLD 7 では xdrawchem-1.8.1-1_mlb1.i386.rpm (773,658 bytes) をインストールします。 このバージョンでは Open Babel 1.100.2 の共有ライブラリが必要なので、先に Open Babel の解説ページ から openbabel-1.100.2-1_mlb2.i386.rpm をインストールしてください。
rpm コマンドでインストールするには、スーパーユーザになって

# rpm -i xdrawchem-1.8.1-1_mlb1.i386.rpm

とします。

MLD 5、6 では旧バージョンの xdrawchem-0.95-1_mlb1.i386.rpm (282,610 bytes) がインストールできます。こちらは Open Babel は必要ありません。

このパッケージは MLD 5 用に作成しているので MLD 6 では Qt ライブラリのバージョンの関係で liblcms.so.1, libmng.so.0 が必要という警告が出ますが、無視して構いません。

# rpm -i --nodeps xdrawchem-0.95-1_mlb1.i386.rpm

としてインストールしてください。

MLD 5、6 では Gnome の GUI でインストールすることもできます。

パッケージの更新履歴

[2004/05/12] 1.8.1 にアップデート
1.7.5 では OpenBabel ライブラリがスタティックリンクされていましたが、 このバージョンではダイナミックリンクになっています。
[2003/11/22] 1.7.5 にアップデート

その他

旧バージョンでは自前のルーチンで CML、MDL Molfile を扱っていましたが、バージョン 1.5.x から OpenBabel ライブラリを利用するようになって、読込、保存できるファイル形式が大幅に増えました

ただし、ちょっと試した限りでは旧バージョンに付属していたテスト用の CML ファイルが新バージョンでは読み込めません。OpenBabel のルーチン内でセグメンテーション違反を起こしているようです。 データが CML として正しくないのか、OpenBabel の不具合なのか、あるいはわたしの作り方がマズいのか、 分子構造の門外漢にはよく分かりませんでした。 どなたかお分かりになる方がいらっしゃいましたらご教示いただけるとありがたいです。

参考

その他のアプリケーション

[2001/08/22 作成] [2004/05/12 更新]


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