Ngraph

Ngraph for X11

Ngraph は理工系学生、研究者、技術者のために作られた 2次元グラフ作成プログラムです。 汎用性のあるASCII形式のテキストファイルから数値デ−タを読み込み グラフにプロットすることができます。 またn次関数・ユ−ザ定義関数による最小二乗フィットができるなど、 プレゼンテ−ション用グラフ作成の目的のみに留まらずデ−タ解析をアシストします。 (作者による紹介文から要約)

(右図をクリックすると大きく表示します。)

作者: 石坂智 さん
ホームページ: http://www2e.biglobe.ne.jp/~isizaka/
バージョン: 6.03.20 (2003/02/21)
ライセンス: GPL
付属ドキュメント User's Manual を読む

6.03.16 からライセンスが GPL になりました。

Ngraph は Motif を使ったアプリケーションです。 LinuxMLD 7 では Open Motif 2.2 が標準でインストールされています。 MLD 5, 6 では Open Motif の RPM パッケージ を用意していますので そちらを先にインストールしてください。

使い方

インストールしたら、 適当なターミナル・エミュレータから

$ ngraph

で起動します。

最初はデモを見てみましょう。「グラフ」メニューの一番下にある /usr/share/Ngraph/demo/demo.ngp を選択するとデモが始まります。

雰囲気が分かったところで、 デモで使われているデータを使って自分でグラフを描いてみましょう。 デモで状態が変わっているので一度 Ngraph を終了させます。 終了のとき「Install 'Ngraph.ini' to your $NGRAPHHOME or $HOME directory?」 と聞かれますが、「はい」と答えておきます。

デモの2番目に出てくる図がこのページのタイトル横の図のようにならないで 文字部分が表示されないようでしたら、 Ngraph のフォント設定があなたの環境と合っていません。
上の記述のように終了すると、ホームディレクトリに Ngraph.ini が出来ていますから、下の「その他」の記述を参考にして設定を調整してください。

再び Ngraph を起動します。この状態で描画領域には 四角の枠が出ていますが、これがデフォルトで用意される「フレームグラフ」の枠です。 「データ」メニューから「開く」を選択し /usr/share/Ngraph/demo/ ディレクトリから demo2.dat を選択します。 すると次のようなダイアログが出て来ます。

とりあえず、そのまま OK して、Draw ボタン をクリックします (条件を変更などしたときも、 Draw ボタンをクリックするまではグラフは描き直されません)。 これで左のようなグラフが描かれます。

軸のスケールは自動で設定されますが、枠線を中ボタンでクリックまたは 左ボタンでダブルクリックすると数値で設定できるダイアログが出ます。

軸には fX1 の様な名前がついています。これは 「frame graph の X 軸の 1 つ目」という意味です。 フレームの上の X 軸は U、右側の Y 軸は R です。 フレームグラフをもう一つ作成すれば、その X 軸は fX2 になるでしょう。

また軸をクリックすると四隅にマーカーが出て、 マウスで枠を移動したり大きさを変えたりできます。
右ボタンのクリックではポップアップメニューが出ます。このメニューの 「Show cross」を選択するとクロスヘアカーソルが出て、グラフから数値を 読み取ったりするのに便利です (Coordinate Window には常にカーソル位置の座標が出ています)。

「データ」メニューの「設定」を選択すると再びダイアログが現れるので グラフの描き方を変更できます。 「タイプ」を色々変えてみてください。

メニューでの「設定」や「削除」は、 その対象があればダイアログが出るようになっています (対象が無い場合は何も反応しません)。 対象が複数ある場合は対象を選択するダイアログが先に出ます (対象が一つでも選択ダイアログが出るものもあります)。

フレームグラフではなく交差グラフにするには、「軸」メニューで一度削除して 「追加作成」で「交差グラフ」を選びます。

「レジェンド」(凡例:グラフに書き込む説明文) メニューを見ると「作成」が ありませんが、作成はメニューバーの下に並んでいるコントロールボタンで 行ないます。テキストの書き込みの場合は、幾つかの記号は特殊な意味 (例えば ^ で上付きの指定など) を持ちますので、 User's Manual を見てください。User's Manual は「ヘルプ」メニューから Web ブラウザで読むことができます (ブラウザは ~/Ngraph.ini で設定できます)。

インストール

ご使用の MLD に合わせて該当するパッケージをインストールしてください。 HTML マニュアルは共通の別パッケージ

をインストールしてください。

LinuxMLD 7 では次のパッケージをインストールします。

rpm コマンドでインストールするにはスーパーユーザになって

# rpm -i ngraph-6.3.20-1_mld7.i386.rpm

とします。
このパッケージは MLD 7 で標準インストールされている Open Motif 2.2 を利用します。

MLD 6 では次のパッケージをインストールします。

ただし、MLD 6 で標準インストールされている、Motif 互換の Lesstif では、日本語関係でやや問題があるようです。 次のようにしてアンインストールし、 Open Motif と入れ替えた方が良いようです。

# rpm -e lesstif

この入れ替えは Ngraph のパッケージをインストールする前に行ってください。

MLD 5 をお使いの方は Open Motif をインストールし、次のパッケージをインストールしてください。

MLD 5,6 では Gnome の GUI でインストールすることもできます。

パッケージの更新履歴

[2003/12/27] ngraph-6.3.20
6.3.20 にアップデート。
今回から HTML マニュアルは別パッケージにしました。
[2002/11/05] ngraph-6.3.16-1_mlb1.i386.rpm
6.3.16 にアップデート。
MLD 5 と MLD 6 では X Window System のフォント環境が異なるので それぞれ用の RPM にしました。
[2001/09/19] ngraph-6.3.14-1_mlb1.i386.rpm
6.3.14 にアップデート。
変更点については、 Ngraph のホームページ を参照してください。

その他

上記の RPM では、Ngraph のインストールディレクトリを /usr/share/Ngraph とし、X のリソースファイルは /usr/X11R6/lib/X11/app-defaults/Ngraph および /usr/X11R6/lib/X11/ja/app-defaults/Ngraph にインストールしています (オリジナルではリソースファイルをインストールディレクトリに 置いて、起動時に XFILESEARCHPATH を設定するようになっています)。

その他、MLD 5,6,7 それぞれのフォント環境に合わせてフォント設定を変更しています。 この設定は /usr/share/Ngraph/Ngraph.ini にあり、 ホームディレクトリ (または $NGRAPHHOME) に Ngraph.ini がある場合は そちらが優先するようになっています。

LinuxMLD 7 では、

描画に使用する日本語フォント Mincho、Gothic は MLD 7 に標準インストールの Dyna フォントを使うように設定しています。Min、Goth も同様です。

LinuxMLD 6 では、

Mincho、Gothic は MLD 6 に標準インストールの RICOH フォントを使うように設定しています。Min、Goth も同様です。

重要!
Ngraph では、任意のサイズの文字を表示するために、 スケーラブルなフォントを割り当てる必要があります。 MLD 6 の X Window の設定ではビットマップフォントをスケーラブルには使わない 設定になっていますので、欧文フォントがオリジナルの指定の adobe ビットマップフォントではほとんどの場合表示されません (印刷は問題ないはずです)。 このため urw の PS フォントを使うよう変更しています。 ただし、urw では Symbol のギリシャ文字部分などが正しく表示されません (urw-fonts-2.0 のバグと思われます)。 ギリシャ文字は日本語の文字セットのものを使ってください。 これが障害となる場合には adobe のビットマップフォントを使うほかはないので、 Ngraph.ini

font_map=Sym

で始まる行の urw をすべて adobe に戻し、 /etc/X11/XF86Config-4 の9行目あたりの

FontPath        "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi:unscaled"
FontPath        "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi:unscaled"

:unscaled の部分を削除します。 この設定にすると X はビットマップフォントをスケールして使うようになり、 場合によってはギザギザのフォントが表示されることがありますので 承知の上で行ってください。

ヘルプの browser は (オリジナルは mozilla ですが) galeon に設定しています。

LinuxMLD 5 では、

Mincho、Gothic は MLD5 に標準インストールの DYNA フォントを使うように設定しています。

mozilla は MLD5 標準インストールの M18 では 正しく動作しませんので、必ず 0.7 (0.6 も可) に update してください。 (update については MLD 5 のサポートページ をご覧ください。)

MLD 5 では 12 ポイントのビットマップ日本語フォントを収録していないので 日本語環境の場合のメニュー等のフォントを、オリジナル配布の設定である 12 ポイントから、14 ポイントに変更しています (このためメニューバーの横幅がやや大きくなっています)。 この変更は、日本語環境 (LANG=ja_JP.eucJP) のリソースファイル /usr/X11R6/lib/X11/ja/app-defaults/Ngraph でおこなっています。

Ngraph は、子ウィンドウの開閉ができますが、デフォルトの設定では 子ウィンドウにも親ウィンドウと同じ装飾 (ウィンドウマネージャーが付けるタイトル部分や枠など) が付いていると仮定し、 親ウィンドウの装飾のサイズを取得して子ウィンドウの位置を調整しようとします。 しかし、このやり方は Gnome の標準ウィンドウマネージャー sawfish では うまくいかないようで、開閉の度にウィンドウがずれて行きます。
この場合は ~/Ngraph.ini の 6,7 行目

framex=0
framey=0

をそれぞれ調整してください。
MLD 6 のデフォルト状態 (ダイアログにも親と同じ装飾を付ける) では

framex=5
framey=22

MLD 5 のデフォルト状態 (ダイアログにはタイトルバーを付けない) では

framex=4
framey=4

でうまくいくと思います。

その他、幾つかの注意が書かれたドキュメントが /usr/share/Ngraph/ にありますので参照してください。

ウィンドウマネージャーに sawfish を使用している場合、 Window メニューにある「子ウィンドウの自動移動」をチェックすると、 移動やリサイズする度に子ウィンドウが上の方にずれていってしまいます (twm だと大丈夫のようです)。 こういう動作はウィンドウマネージャー依存なので、X Window System では ウィンドウのことはウィンドウマネージャーに任せる (つまりユーザが 自分で操作する) のが正しいです。

MLD 5 および 6 で ソースからビルドしたい方は、こちら をお読みください。

参考

類似のアプリケーションについては gnuplot のページを 参照してください。

[2001/04/12 作成] [2003/12/27 更新]


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