よく寄せられる質問と作者の講釈 ■sin 45°を計算するには?■ 三角関数は複素数から複素数への関数であって、角度の関数ではありません。 そもそも何故、2πを360°で表さねばならないのか疑問に思いませんか? 60分法を複素関数で採用するのは不可能ですので、次のようにして計算して下さい。 ○ まずargの単位をdegにしておき、argに45を入力します。 次に、"arg z"ボタンを押し、さらに"sin"ボタンを押します。 ○ 或いは、まずargの単位をPIradにしておき、argに0.25を入力します。 次に、"arg z"ボタンを押し、さらに"sin"ボタンを押します。 ■lnの後にexpをしても元の数値に戻らないことがある。■ ○ lnとexpは、逆関数の関係にはありません。虚部が[-π,π]の範囲でのみ 逆関数の関係になっています。この様なことは他の関数にも言えるのですが、 複素解析の教科書を参照して下さい。 ■計算に対する作者の考え方■ 現在の計算理論は簡単に言うと、2進数による状態表現とタイムステップによる 状態の時間発展で構築されています。その為、実数や複素数の計算が整数演算に 比べて遅くなっています。また、一見簡単そうに思える因数分解やある種のデータ 検索に指数的な時間ステップを要するという結果も計算量理論から得られています。 しかしながら、本質的に時空間は連続であり、宇宙の要素の集合は複素空間を作 るはずです。私は、時間的、空間的に連続かつ複素計算が可能な計算機が存在する と信じています。量子計算が2002年現在、相当成熟してきたと言えます。ただ、 量子計算の理論がそもそも古典計算理論の拡張として構築されている上に、人間 の頭が相変わらず古典的であることもあって、ごく少ない量子アルゴリズム しか考案されていません。 ともかく、人間もいつからか時間ステップで動くようになってしまったし、 "ステップ"や"2進数"という考えに縛られている限りはそこから抜け出せないと考え るのであります。人間の頭も電気信号で動いているのですが、心が存在するのは、 神経組織が時間的、空間的に連続で、しかも交換される情報が複素表現でかつ相互に 絡み合っているからではないか、と思えるのです。 妄言多謝。